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始めていただいた仕事はパッケージのリニューアルでした。もともとファインモールド様は多くのスケールモデルを発売していましたし、私もユーザーの一人でした。無骨なパッケージだなあとは感じていましたが、まさか自分がこのメーカーのパッケージを担当するなどと夢にも思っていませんでした。コンセプトは模型屋さんに並んだときに星印の某大手模型メーカーに対抗出来るくらいのインパクトということでした。私はそのメーカーさんも大好きなので激しく緊張したのを覚えてます。「マイルス・デイビスに対抗できるバンドを作ろうぜ」とリー・モーガンに誘われたような気持ちでした。 模型屋さんをハシゴして勝負所は棚に並んだ時のもっとも小さな面という部分に着目しました。比較的びっちり埋めちゃいがちなこの小さな面積の世界。ここに贅沢な空間を配置しているのは、その星印模型様だけであったことにも気がつきました。必要な情報を「見て見て!」とばかりにゴッチャリ埋め尽くすと結局は情報過多になりお客様は目が疲れて見過ごしてしまうのです。その中に白い空間がぽつりとあると「おや?」とばかり目が行くものです。そしてその模型を手にするのです。 お客様からすれば贅沢な空間でも、「高いお金を出して印刷屋さんにお願いするのに何で余白なんか残すの?同じ金額なら文字で埋め尽くしてよ!」というのがメーカー様の思いです。つまりレイアウトする側からすれば、かなり緊張感の有る余白となるのです。所詮生活には必要の無いホビーの世界です。ならばお客様にはリッチな気分を提供するのがデザイナーの仕事です。(とか言ってますよ)